イタリア紀行 温泉

モンテプルチャーノからS嬢が車で15分くらいの丘の上、天然温泉が湧いているところに連れて行ってくれた。日本の露天風呂のように岩風呂状に囲ってあるとか、藁葺き屋根がかかっていたり「温泉」という看板もなく、周りに簡易な鉄柵がちょっとあるだけの白濁した池というか沼のように全く天然にそこにあるだけだった。かすかな硫黄の匂いのするぬるめの温泉で、底はぬめぬめと粘土状でまさに沼に入っているようである。この天然粘土パックを身体をマッサージすると、お肌がツルツルだった。

全身泥パックの友

シエナ地方は温泉保養地が色々あるのだった。ホテルから車で約1時間、San Casciano Dei BagniのフォンテヴェルデFonteverdeというスパホテルに行ってみた。”ランチ付き日帰りスパ”の利用で受付でトリートメントの予約をするのだが、トリートメントの種類が多くて選ぶのが大変。マッサージだけでも何種類もあって、”Shintai"”Tokui-do""Shiatu Masunaga""Shiatu Namikoshi""Yin Yan Sensation"など日本語東洋的なネーミングのも多い、フェイシャルもThe Kanebo Experienceと特別高いスペシャルコースは日本の製品を使ったものでした。その他ボディものだけで20種類くらいある。マッサージとフェイシャルをしたい伊人親友Jと私、その場でパンフの様々なトリートメントを見ながらどれにしようか、俺は強めマッサージじゃないとダメ、私はお肌にいいボディーがいいわ、俺はアンチエイジングのフェイシャルよ、でもフェイシャルの後又プールは入ったら台無しじゃない?じゃあどうする?何時からこれやって、どうしてこうして、と日英伊人の3人で算段するのも大変。それを受付嬢に伝えても、また誰が何をいつしたいのか3人分の予約アレンジに混乱を極める受付嬢。ようやく把握してもこれは何時からはダメだけど何時なら可能、でもこっちなら希望時間にできるけど、え?それってどういうトリートメント?何分?いくら?こっちもいいけどあっちもいいし、夕飯は何時にする?迎えの車の手配は?等々、とまたまたケンケンガクガク、ようやく誰が何時から何を受けるかのブッキングが出来て一件落着の頃にはランチブッフェも終了してしまった、、、昼食はプールサイドカフェのパニーニサンドということに。

屋外温泉プールは広い。正面は滝状の打たせ湯。

屋内スパエリアのハイドロマッサージプール。屋内外に繋がったプール内が大理石のタイルでセクション分けされ腰、お腹、脚、背中肩など部位別ジェット噴水でブイブイとマッサージされる。

眺めは古式イタリアの風景。
トリートメントは選ぶのが大変で高かった割に、なんていうことなし。結局時間の都合と受付嬢お勧めで、テルメ・ソープ・ボディというトリートメントを受けることになった。何種類かのハーブソープと温泉泥んこで全身マッサージ(弱い)の後シャワーを浴びて、ボディーローションでマッサージ(というか塗るだけ)。いつも行くシュルーズベリー西荻のスパのマッサージの方が断然良い(特に西荻の神崎嬢はマイベストセラピストである)。やはりここは温泉プールと風景をのんびり楽しむのがいいと思った。ヨーロッパの温泉保養地の施設にはドクターも居て、血圧や肥満度など個人の健康状態に合わせての療法を行っていて医療的雰囲気もある。ここも呼吸器関係の吸入治療室などもあり、もともとは病弱の貴族的青年や貴婦人がしづかに療養するような結核や喘息のサナトリウムがあったところなのかも知れないと想像してみた。今や小金を持った元共産圏の労働者階級の観光客が来るようになってしまったが。

クラッシックなインテリアのホテル内。

日が落ちるのを眺めながら(とは言っても夜8時か9時時頃)の夕食。
FONTEVERDE www.fonteverdespa.com