やっぱりノース Silver Apples @ Field Day, London & Deaf Institute, Manchester

London Victoria Park での"Field Day"
トスカーナモンテカルロでの地中海文化圏から、肌寒いイングランドに戻ってすぐマンチェスターでMoon Duoに続いて、Silver ApplesをDeaf Institute(聾会館)、後日ロンドンで”Field Day”フェスティバルで観賞。英国の夏は音楽フェスティバルが各地で大小様々行われる。日本の全国各地の夏祭りとは違うんだけども、飲食の屋台が沢山出ていて、音楽が演奏されて、皆が踊ったりするのは同じだ。キャンプしてテント生活は嫌なので、グラストンベリーとか大きいフェスティバルには行きたくない。以前Oasisが富士ロックに出たときに頑張って行ったけれども、近くのプリンスホテルだったかに泊まった。Field Dayはロンドンのイースト、Victoria Parkで1日だけのフェスティバルであったし、Silver Apples,The Fall, Mouse on Mars, Archie Bronson Outfitなどなどメインストリームではビッグではないバンドが一同に会するのも珍しいし、気楽にホテル泊まりで行ける、なんて思って行ったら、以外に大きく、野外のメインステージとテントが4カ所もあって、あっち行ったりこっち行ったりしてとても疲れたのだった。ミュージックのヴェニューだけでなく、食べ物からTシャツなどの屋台も沢山あるし、遊園地エリアもあり、天気も良かったので、夏祭りは賑わっていた。ロックフェスティバルは今やメジャーになりすぎで、大企業がらみだし、メディアでもファッション化していて、夏になるとファッション誌だけでなく新聞でさえ、「誰々のor今年のフェスティバル・ルックはこれこれ」等というグラビア記事のオンパレードだ。特にロンドンという場所柄、友達と“フェスティバル・ファッション”でクールな気分でワイワイしにきた若者達、公園でピクニック気分で来てみた的なカップルやファミリーな人々、Time Out見てきた外国人観光客も多かった。チケットも安くはないし、全体的にとってもロンドンなミドルクラスっぽく、インディーとかエッジーとかラフなロックな感じは全然ない。音楽的には場所もあっちこっちで、仲間と飲んだり食べたりしゃべったり観客もステージに集中してないし雰囲気も面白くなく全然楽しめなかったのだ。

メインステージでThe Fall 人は多くても気もそぞろで集中していない

テントもいっぱいある。同時にいろんなところでライブがあるのであっち行ったりこっち行ったり大変。

ファンフェアーもあり、全体的にお祭りな感じ。
Silver ApplesもDeaf Instituteでのライブのほうが素敵な環境でもなく人数は少なくても客層もよく雰囲気良くて、全然良かったのである。ライブはロンドンよりもマンチェスター、リーズ、リヴァプールブラックプールなどイングランド北部(あるいはウエールズアイルランド)のほうが断然いい雰囲気なのである。日本でも同じで東京よりも地方都市のほうが観客が気取ってなくていい感じだとOasisなどのライブに行って思った。とかく東京とかロンドンだと、ホントーにすっごく見たくて来る客だけでなく、業界とか招待とか、一応これも見ておくか、あるいはこういう場に来る自分ッてクール的客も多いのでイマイチ薄まってしまうような感じなのだ、と、今までの経験上思うのであった。と、インディーでエッジーなラインナップの割にField Dayは、今どきのフェスティバル、ロンドン市内の公園、天気がいい、と3拍子揃って、観客は全くの夏祭り気分であった。屋台のカツカレーとドーナッツが美味しかったのが良かったことかな。カツカレーはKatsu Curryと表記してあり、こっちでカレーというと本場インドのカレーなのだが、チキンカツと駅の立ち食いカレー味、日本のカレーがご飯にかかっている、あのカツカレーなのだった。売っているのは英国人であった。スシ、テンプラ、テリヤキ、エダマメ、トーフ、などにつづいて「カツ/Katsu」をよく目にする今日この頃である。後日行ったロンドンのブリックレーンの屋台では「日本の味」屋台も多く、スシだけでなくテンムスや鳥カラおにぎりも売っていた。こちらは日本人の屋台だった。味も良かった。Katsuの次はTori Karaかな。ああ、Tori Karaが食べたい。
Silver Applesのことを書くつもりが、話しがそれっぱなしだ。Silver Applesは60年代のアメリカのバンドだ。2人組だったのが、片方は亡くなって、今はSimeonという初老の男性が改造した旧式のシンセあやつりながら歌って一人でやっているのです。が、当時としてはマトモにも扱われなかったくらい進みすぎていた彼らの音楽は正に元祖サイケデリックエレクトロポップミュージック。60年代にこんな音楽があったのか、その後のエレクトロポップはみんな彼らのマネじゃないか、というくらい。近年になってミュージシャンを中心に再認識されると共に人気が高まっている(こういう「ロンドンのフェス」に出たり)のも納得なのでした。彼はとっくに音楽活動をやめてNYでグラフィックデザインやマルチメディアアーティストをやっていて、その関係の仕事を一緒にした人がたまたまその話題で「え〜!!あの有名なSilver Applesはあなただったのですか!」と自分の知らないうちに音楽シーンで意外にも評価が高まっていて、周りから即され、why not?と90年代末に再開したのだと、ラジオのインタビューで語っていた。
] The Deaf Institute in Manchester 今はクラブだが元々はThe Deaf and Dumb Institute(聾唖会館)というヴィクトリアンの建物である。
ライブの後、会場ではDJのクラブナイトとなり、階下のバーは遅くなればなるほどフライデーナイトを楽しむ人が増えて来たが、我々は最近は午前を回ると、もう帰って寝るか、という気分になって来るのであった。が、こういうナイトはついケバブ屋に寄ってチキンパコラ(印度版鳥唐揚げ)とかオニオンバージ(印度版タマネギ天麩羅)が欲しくなるので、帰り道すがら、立ち並ぶケバブ屋から良さそうなとこに立ち寄った。マンチェスターの裏通りのケバブ屋に良さそうも何もあったものではないが、一応少しは清潔度がマシそうという基準で。そしたらSilver Applesスタッフ一同で遅い夕食をとっているところだった。70歳くらいだろうSimeon氏にとって、ツアーでただでさえ疲れそうなのに、遅い時間にケバブで夕食はあまり身体に良さそうではないけどなあ、と思うが、いや逆にこういうライフが彼を若返らせているのかもしれない。素晴しいことだ。
今回は食べ物の話しばかりになってしまいました。
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