寒い年明け

日中でも0℃から5℃、夜は氷点下の寒い毎日である。気温も氷点下だが、昨年来、社会と経済もなんとも冷え冷えの英国である。昨12月にはウールワースが閉店、今週はウエッジウッドが経営破綻、マークス&スペンサーも赤字で何店舗か撤退縮小に踏み切ったとニュースでやっていた。
ウールワース(Woolworths)はお菓子、雑貨、おもちゃ、衣類などなんでもある安売りスーパーで、英国中どこの町にも1軒や2軒はある。いや、あった。閉店のニュースでも市民が「子供のときからいつも買い物してたのに、信じられない、ショックです」と言っていた。それ程国民的に馴染みのある店だからMarks&SpencerやSaintsburysのように英国生まれなのかとおもっていたが、もともとはアメリカで100年以上前に開店した初の安売り百貨店なのだった。
エラ・フィッツジェラルドの” I can’t give you anything but love” という歌に♪Diamond bracelets Woolworth’s doesn’t sell, baby〜♪.というフレーズがあり、この歌がウールワースを見るたびに頭の中に聴こえて来て、同じなのか違うことなのかが、どうも気になっていた。今回の閉店騒ぎでそれが一致したのだった。安売りウールワースじゃ売ってないダイアモンドのブレスレットをつけた君をは素敵だろうけど、俺は愛しかあげられないよ、愛ならたっぷりあるんだぜ、ベイビー、ってね。
年明けにShrewsburyやOswestryの町に出てみると、クリスマス前より閉店した店が増えていた。え、ここも、あそこも?と中身が空っぽのショウウインドーが寒々しく軒を連ねているのであった。とりわけ店の大きいWoolworthsのあとは淋しい感じが強く、不景気な年明けだなあ、という感じに輪をかける。愛は無いけどカネならあるぜ、という人が多すぎたからこんなことになってしまった。カネカネ拝金主義が行き着いてバブルがはじけて世界同時多発金融大破綻大不況で負のスパイラルでグルグル落ちてるような今日この頃ですが、アストロロジーをやってる友人によれば、冥王星が昨年1年かけて射手座に移り、そのために色んなものが今後20年かけて社会とか世界とか大きいレベルで刷新され、新たな価値感に移行してゆくのだそうだ。アメリカでオバマ氏が大統領に選出されるなど、まさにです。良くも悪くも大改革の時代になっていくらしい。人生全て塞翁が馬、ゼロに戻ってから新しくポジティブな価値観のもとに今後は世界がいい方向に行くと願いたい。
何処の町にもあった